所得税「N分N乗」という言葉を
聞かれたことはありますか?
日本の少子化対策の一例として挙げられた、
フランスで少子化対策として導入されている税制です。
「子育て世代の家計の税負担を抑えて、
希望する子どもを持てるように後押しする」
という税金の計算方法です。
どのような内容かというと、
ざっくり
- 所得を世帯単位で合算
- 大人は1,子供は0.5で世帯人数を出す(3人目の子供から1)
- 世帯所得を人数で割り、一人当たりの課税所得を出す
- 一人当たりの所得税を計算
- 世帯として所得税を納める
そして、
財務省がフランス方式の「N分N乗」で試算した結果では、
日本では、あまり効果的ではないのでは?
と思うような結果がでています。
- 高額納税層には大きな減税効果がでる
- 日本全体の6割を占める所得税5%の納税者はあまり効果がない
- 共働きで中所得から低所得の世帯で負担増になることも
所得や働き方によって、
増税・減税になるのは、
どの制度でもある程度仕方ないのかな、
と思いますが、
一番のボリュームゾーンで負担増になるなら、
少子化に拍車がかりますよねぇ。
そもそも、
日本とフランスの所得税の控除に大きな違いがあります。
日本は、高校生・大学生に対する
「扶養控除」という控除があり、
ざっくりというと、
その年代の子供を扶養している人には
控除といって、
税金がかかる部分を少なくする制度があります。
【所得控除額】
高校生・・・38万円
大学生・・・63万円
フランスには「扶養控除」がそもそもないのです。
日本にフランス式「N分N乗」を取り入れると
扶養控除がなくなる分、
増税になる世帯もでてきます。
それから、
「N分N乗」は世帯所得の考え方なので、
夫婦のどちらか一人が働くほうが
税金の面では有利になります。
そのために、片方が働かないことにする、
なんていうことはないでしょうが、
女性の社会進出を後押しする税制ではないようですね。
少子化対策は、
すぐに効果が出るものはなく、
長い時間をかけて対策していくことが
重要だと考えられます。
産後の女性も仕事復帰がしやすいような、
男性も家事育児が当たり前になるような、
そんな環境が整い、
希望する子どもを持てるようになるといいのになぁ
と日々考えています。
今日はちょっと難しいお話でした!