将来の生活費の基盤となる
公的年金。
(実際のところは、年金加入歴の違いで基盤となる人も、ならない人もいますが・・・)
弊社にご相談に来られる方も
検討されている
「公的年金の繰り上げ受給」
について考えてみましょう。
公的年金は
生きている間は受け取ることが可能な
「終身年金」
30年以上前の保険商品等では
「終身年金」という商品も
あったようですが、
今はほとんど見かけません。
存在していたとしても、
割高だと考えられます。
そう考えると、
終身で受け取れる公的年金は
大変、心強い存在ですね。
現在の公的年金の受給開始年齢ですが
男性:昭和36年4月2日以後
女性:昭和41年4月2日以後
の方は、
65歳スタートです。
この65歳の受給開始年齢を
早めたり、
遅らせたりできることを
ご存じでしょうか?
今日は早く受け取ることについての
メリット、
デメリットについて
考えてみようと思います。
受給開始年齢は、
早く受け取りたい人は
60歳から受取可能です。
ただし、
年金額が減額されます。
「早く受け取るなら、金額を減らしますね~」
ということですね。
ひと月につき「0.4%」の減額です。
1年間にすると
12か月で
4.8%の減額。
もし、5年間の繰り上げで
60歳から受給すると、
24%の減額となります。
例えば、
会社員の方で、
厚生年金に加入されていた
AさんとBさんで
金額を見てみましょう。
Aさんは
65歳受給は200万円の年金額だと、
60歳受給は152万円になります。
Bさんは
65歳受給は120万円の年金額だと、
60歳受給は91.2万円になります。
そして、
減額された年金の割合は
生涯続きます。
60歳がいいのか、
65歳がいいのか、
トータルの受取金額が
どうなるか気になるところですね。
ざっくりですが
60歳から受給すると
80歳以上になると
トータルの年金受給額は少なくなります。
61歳から受給すると
81歳以上になると
トータルの年金受給額は少なくなります。
という風に、
臨界点は、
62歳から受給で82歳、
63歳から受給で83歳、
64歳から受給で84歳、
くらいのイメージです。
この臨界点の数字は、
年金支給額で見ています。
実際には・・・
公的年金も一定額を超えると
税金がかかります。
所得税です。
ただし、
公的年金の全額に
所得税がかかるのではありません。
リタイヤ後の大切な収入源ですから、
「公的年金控除」があり
ある一定の金額までは
税金がかかりません。
60歳未満の公的年金控除は60万円。
65歳以上の公的年金控除は110万円。
プラス「基礎控除」という
みんなが使える控除が48万円あります。
結論、
収入が公的年金だけだとすると、
までの年金受給額では所得税はかかりません。
それ以上だと、
所得税がかかります。
年金以外の収入があると、
所得を合算しますので、
もっと低い年金収入で
所得税がかかります。
65歳で満額の公的年金を受給しても
税金や社会保険料も加味すると、
手取り額はどうなるのか?
考えどころですね。
結局のところ、
年金の受給を最適にしたいと
考えても、
「何歳まで生きるのか?」
がわからないために、
トータルで何歳受け取りが
良いかはわかりません。
しかし、
もし60歳以降で
「お金が足りないからできない」
と思うことがあるのであれば、
公的年金を65歳より前に受給するのも
「あり」なのかもしれません。
60歳でできることと
65歳でできることは
違うでしょう。
今しかできない体験もあります!
また、
モノの値上がりが進むと
先に公的年金を受給するほうが
お金の価値があるかもしれません。
個々人の
働き方、
資産状況、
望んでいること、
ライフプラン、
などによって、
公的年金の受給年齢の
ベストな選択は異なります。
以下が公的年金の繰り上げ受給の
メリットとデメリットです。
繰り上げ受給は金額が減ってしまうという
大きなデメリットがありますが、
それを超えるメリットがあると
思われた方は利用されるのも
ひとつの選択肢だと思います。
ただし、
一度選択したら、
その後の変更は出来ませんので、
慎重な判断が必要です!
やすもとFPと一緒に
あなたの年金について考えてみませんか?
【繰り上げ受給のメリット】
◎早く受給できるため、生活費の補填となる。
◎早期に受給するために資金計画が立てやすくなり、
将来的な経済的不安を軽減できる。
◎健康状態が不安な時など、トータルの年金額を確保できる。
◎少しでも若いうちにお金を使うことができる。
◎税金や社会保険料の支払いが減少する可能性がある。
【繰り上げ受給のデメリット】
◎受給額が減少する。
◎長生きすると、トータルの年金額が少なくなる。
◎受給額が少ないため、長生きのリスクに対応が必要なことも。
◎障害年金が受取れなくなる