会社員が病気やけがで働けなくなり、休職さざる得ない場合は十分な報酬が得られなくなります。そんな時は、給与が全く入らなくなるのではなく、傷病手当金という名称の手当金が支給されます。休職中の人と家族の生活の保障を目的とした制度です。
いつ支給されるかというと、連続して3日間お休みをしたとき、翌日の4日目から支給されます。
支給される期間は支給開始から1年6か月です。例えば、1か月間休み、その後1か月間復帰して、その後また休んだとしても復帰期間も1年6か月に含まれます。出勤と休職を繰り返しても、支給開始から1年6か月が経過すると、傷病手当金は打ち切りになるというわけです。
支給される金額は、基本給(実際には標準報酬月額ですが、ここでは簡単に)の約3分の2です。
先日、この春に卒業し就職するのですが、民間の保険に加入したいという男性が相談に来られました。どんなことに不安を感じられているのかを伺うと「もし、病気などで働けなくなった時に、収入がなくなったら生活ができなくなるので、それを保障するための生命保険に加入したい。テレビのCMでもやっているし・・・」ということでした。
就職される企業には、健康保険制度というものがあって、もし、病気やけがで働けなくなってもすぐには無給にならないことを説明すると「それなら、今すぐに民間の生命保険に加入して、もしもの時の収入を保障しなくても大丈夫そうだ」と安心されました。
家族環境やその他の生活により、必要な保障は人それぞれ異なりはします。傷病手当金で不足するのでプラスで民間の収入保障保険に加入の必要がある人もいるかもしれません。しかし、大切な手取り収入です、周りの例ではなく自分の場合はどうなのか?をよく考えて使いたいですね。まずは、公的に保障されていることを確認・理解すると、保障が重複することを防げますね。
それから、この傷病手当金は会社員等が加入する「健康保険」だけにある制度です。自営業者等の「国民健康保険」にはない制度です。